駒崎 亮太さん
        (2005・茅ヶ崎高校)

  2005年7月「オールアライブしゃ」(茅ヶ崎市中海岸4-1-2)を開設。
  
  1F:「スロー風土の素」店ルアラ
     調味料、豆腐、大豆屋製品、素っけナッツ、純ジュース、純アイスクリーム
  2F:喫茶・喫酒「ともいきや」(共生屋)
     昼はお茶して夜は添加無的の惣菜・おつまみで一杯
     天然酵母・国内小麦粉手作りパン、数種類の無農薬ハーブティ・無添加ワイン
     発芽玄米・有機野菜・有機国産大豆製品利用・泡盛・有機米純米酒
  3F:安らぎの間「reCOMai」(リコムアイ)
     卓球、気功、ライブや休楽喜の間として、五感・六感の解放を

「オールアライブしゃ」その名は「ぼくらはみんな生きている」の歌、We are ALL ALIVE の一節からとられたという。
オールアライブしゃには「若者の仕事のけいこ場」「若者の悩みを聞く場」「食の安全を考える場」「社会のあり方を問う人たちが集う場」などのたくさんの顔があります。
主役はバラバラにされ、行き詰っている若者たちです。準主役は子供たちとお年寄り、そして私たち中・熟年がメイ脇役。小道具は食(共食による無形の栄養分も補給)遊(異年代で)学(ジジババの知恵袋も)で、世代を縫う縦糸と親以外の大人たちと縫う横糸でもやい直し織り上げたい。








   

    上原収二さん
              (2012.金沢総合)

退職後、水彩画で多忙な毎日を過ごしています。
現在、英国に来ています。
英国へのスケッチ旅行は24回目で、今回も42日目で140枚ほど描きました。私には独自のビール計算式がありまして。1枚絵を描くと、1パイント(500cc位)ビールを飲んでもいいという風にしております。つまり少なくとも140はパイント飲んだことになります。

 ビールは頼むことができても他のことにはてこずります。英語にはdyslexiaという難読症と訳される単語があります。日本では本を読むのが嫌いというようなことはよくありますが病気だとは思われていません。しかしこちらでは珍しくない障害のようです。日本の教育のせいでしょうが書かれた文字を読んで理解するのにはそう苦労しないのですが、会話はやはりうまくいきません。ホテルの受付でツーリスト・インフォメーション・センターはどこかと尋ねたらすぐそこだと地図にマークしてくれたのだけれど、行ってみたら、ブッディスト・メディテーション・センターでした。

 この手の誤解は数多くあります。余分にお皿がほしくてextra plate please と頼むと追加のパン(bread)を持ってこられます。Cappuccino がまた鬼門です。何度かcup of teaを持ってこられました。Leuchurs(ルーカス)という駅に行きたいというとNew Castle 行きはあっちの電車だといわれます。
 これらはすべて日本人に対する偏見からきているのだと、つまり、塩辛いおかずをおともにしてごはんのような主食を常に食べている日本人はきっとパンの場合でもそれがないと食事がのどを通らないのだろうとか、日本人はイギリスで本場の紅茶を飲みたいのだろうとか、日本人が行きたいところは産業都市に違いない、といったところからきているのだろうという風にすべて相手に否があるのだと思うようにしています。

まだまだあります。スコットランドで散歩に連れていってもらって、あっちにテン・チャーチがあると言われたのでぜひ見たいと応えて案内されたところがTen churchでなくトタン張りの尖塔もないちいさなTin churchでした。スモークハウス・レストラン(燻製屋)で「今日は新鮮なMackerel Sashimiがある」といわれたので、てっきりマグロの刺身だと思って喜んで注文したら鯖の刺身でした。

今年はマークス&スペンサーの食品スーパーにたくさんの和食風でき合い料理が並んでいます。先日は野菜餃子を買って持参のカップ麺とでラーメンギョーザを電子レンジの使えるケータリング・ゲストハウスで食べました。ディップせよというタレは醤油と日本のウースターソースを混ぜたような味で今一つでした、そして中身が野菜だけなのでその食事はベジタリアン風でした。

電子レンジの使えないビジネスホテルでは、やはりM&Sのスティキーライスサラダという見かけはちらし寿司風のものを買ってきて、持参の粉末みそ汁と一緒に純日本風夕食を取りました。こちらは、粘り気があるといっても芯のあるおかゆのようなもので、混ぜろという寿司酢のようなものが甘すぎました。

天候は連日おおむね晴れ時々雨という感じです。テレビではアイスクリーム・サマー(アイスクリームを食べずにいられない夏)とか言っていますが、10℃位の日も多く、冬物のコートがほしいくらいの冷夏です。イギリスではとてもお米を栽培することができないでしょう。

こちらでは大学のある都市には中国人が大勢います。
この頃イギリス人は国内をあまり旅行しなくなり、暖かいスペインやフランスに出かけます。こちらにスペイン人観光客が多いのもきっと私のように暑さを逃れてやってきているのでしょう。

                                                                                   2016年.7月末
                                  
変化を楽しむ
日本朝鮮学術教育交流協会
 副会長   園部 守
昨年に続いて 4 度目の平壌行。この 4 年間で 3 回目だからかなりの頻度だが、来るたびに変化を見せるのが面白い。2013 年はスマートフォン、ローラーブレードの普及に驚き、 2015 年はタクシーの数に驚き、渋滞に遭遇し、女性のカラフルな装いとハイヒール姿が増えたことに感激した。
今回印象的であったのは、人々の表情に安堵感とゆとりが見て取れるようになったことだ。「苦難の行軍」を何とか乗り切った安堵感。厳しい経済制裁の中にあっても、市民生活にゆとりが生まれてきている証なのだろう。あわせて相次ぐ核実験、核運搬手段の開発。これは私にとっては断じて賛同することは出来ないが、そのことが少なくとも朝鮮市民にとっては、アメリカの核脅迫からの解放という意味で安堵感を生み出しているのではないか、とも感じられる。
もう一つは、耕地の整理が格段にすすんだことだ。化学化、機械化に向けた準備段階なのだろう。季節柄のせいもあるのかも知れないが 2008 年の初訪朝以来、農業の厳しさがずっと気にかかっていた。痩せた農地、遅れた農法、「これはかなり厳しいぞ」というのが偽らざる感想だった。今回、信川に向かう途中は牛が荷車を引く伝統的な農村風景だったが、耕地区画は大規模化され、整理されていた。そして作物は青々と茂り、水田の畦には例外なく大豆が植えられている。このあたりは社会主義の威力なのだろうか、その進展はスピード感がある。牛がトラクターにかわり、牛鋤が大型耕耘機、コンバインに変わるのにはそれほど時間はかからないのではないか、と感じた。
「平壌に行く」というと、今回もまた様々な方面からご意見が寄せられた。「安全に帰ってこられるの?」と言う本当に心配してくれる友人もあれば、「どうせ本当のところは見せない」とか「宣伝に使われるだけ」などという厳しいご意見もある。大手マスコミの報道を信じてはいけない、という我が陣営の人々ですら、朝鮮についてのマスコミ報道はほぼ鵜呑みにするところがなんとも滑稽でもあるのだが、日本の偏ったマスコミ報道の中に身を置いていればそうした心配も意見もうなずけないこともない。
確かに、朝鮮は戦時下の国であり旅行者が自由に動き回れる状況にはない。植民地時代の記憶から日本人に対する一般市民の感情も厳しいものがあるのも当然だ。実際に何度か訪朝してみて、あの巨大なモニュメントやいたる所にある肖像、一糸乱れず旗を振って労働に行く人々を鼓舞する女性たち等を見ると正直違和感を覚える。社会主義者ではなく心優しき民主主義者を自称する私としては、つい「本当のところどうなのよ」と聞きたくもなる。
しかし、よく言われるように「全て外国人に見せる為に動員されたもの」というご意見にはどう考えても賛成できない。ムンス遊泳場で楽しそうにはしゃぎ廻る子どもたちや、平壌動物園で憩う親子連れ、玉流館の冷麺に行列する人々、大同江河畔を手をつないで歩く恋人たち、こんな大量の人々をわずかの外国人旅行者のために動員するなどと言うことはどう考えてもあり得ないし、何より、当たり前の話ではあるが、日本的基準から見れば豊かとは言えないまでも、ごく当たり前の市民生活がそこにはある。こう言うと「お前は平壌しか見ていないからだ」という意見が飛んでくる。確かに平壌と地方との格差は大きいのだろう。今回モデル農場を見学したが、実際の農村ははるかに厳しいに相違ない。かつて「苦難の行軍」時代には餓死者が出たことを彼らは隠さない。だからこそいま漂う安堵感は本物であると思う。そして、重要なことはその格差を是正しようとする姿勢があるかどうかだ。どこぞの国のように「格差は自己責任」とばかりの政策にうつつを抜かし、朝鮮の核・ミサイル開発を口実に軍事費の増額に走るよりはよほどましだろう。
団長特権で、与太話にだいぶ紙幅を使ったが、要はとにかく自分の目で見てみよう、自分の肌で感じてみよう。そして本当のものが見たいというなら、本当のものを見せてくれるまで仲良くしよう、これにつきるのだと思う。
ともかくも次の平壌行ではどのような変化が見えるのか楽しみである。
(追記)
中国経由の旅のせいか、朝鮮のホスピタリティはすばらしい。外国人相手のホテルや店舗というせいもあるのかも知れないが、中国では客そっちのけでおしゃべりしたり仏頂面で客の相手をしたりするのが当たり前。これに対して朝鮮では終始にこやかに、客本位の丁寧な対応。これは日本の「おもてなし」に相当する。高麗航空も機体の安全性はともかくとして、CA の接客態度は日本の CA 以上。おそらく世界でもトップクラスだろう。これだけでも乗ってみる価値はある。


      朝の農村風景    耕地の整理が急速に進む 玉流館(平壌で一番うまいと冷麺店)で順番を待つ市民
      玉流館の冷麺  大同江河畔の夕焼けをバックに

                                                                                                      
(2016年8月  元神高教委員長)

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